ビーチクリーンミッション・レポート

子浦海岸ビーチクリーンミッション・レポート
ミッション#: 20220730
Koura Beach Clean Mission Report

Mission Poster

子浦ブルーサンタズ

カヤック+SUP+ゴムボートの混成チームゴミ回収新ルーチン

 今朝の子浦は快晴で朝から強い夏の日差しが照り付けています。

On the Beach▲続々と到着したボランティア参加者が自艇を浜に移動しミッション開始に備えています。

 今回のミッションの主旨は、7月1日~8月20日まで実施しております「釣人が守る子浦の海!」と題し普段子浦の海から恵みを頂いている方々(釣人)がその母なる海への恩返しの一環として実施したビーチクリーン・ミッションの集中イベントとして開催しました。
ボランティアの方々も前日、当日早朝から40名近くご支援に来て頂き、今回のミッション対象エリアの3浜の清掃を実施いたしました。
On the Beach▲午前4:30前から続々とボランティア参加者がカヤック、ゴムボートを搭載してご到着し、6:00にはミッション参加者の艇で浜が一杯です。

 ビーチクリーン・ミッションの支援を頂いている日本財団の方々も子浦ブルーサンタズと一緒にカヤックに乗船頂いてビーチクリーン・ミッションのターゲットの浜までの移動です。

On the Beach▲子浦ブルーサンタズとご一緒にカヤックで移動中の日本財団の視察員の方々です。

 今回のミッションの特徴は、陸路では行けない浜に打ち上げられた大量の流木、プラゴミの回収が目的ですが、ゴミ総量が見積もり段階で通常サイズのゴミ収集車4~5台分と大量なために小型船による人員移動、ゴミの搬出を行う事を当初検討しましたがゴロタ浜や岩場の為に小型船でも近づくと船体を破損する可能性もあり、これまでゴミ回収を見合わせておりました。

Mission Maps ▲船体破損の危険がある為に浅瀬に乗り上げられません。少し深場に停泊させ腰まで海につかって船を固定します。地元の方々のご協力に感謝!感謝!

 一方、鯛ケ崎の現場は、大きな岩石が沿岸を形成しています。岩石の間にゴミが山ほど、大きな流木も御覧の通り大量に点在しています。このような大きな流木は地元の方がお持ち頂いたチェーンソーを使って切り分けカヤックから小型船へバケツリレー方式で回収しています。

Mission Maps ▲岩の間に埋没しているゴミ回収は見た目もより労力が必要で結構厳しい作業です。

 それを可能にするために今回はカヤックやゴムボートおよびSUPを利用してゴミを広い、拾ったゴミを浅瀬に停泊させた小型動力船へ移し、海岸まで持ち帰るという特殊な手法を取り入れることになりました。

Mission Maps ▲SUPで拾い集めたゴミを収集船に移動

しかし岩場のゴミ回収作業は岩の間に挟まったゴミ、とてもカヤックに載せられない大きなゴミ(流木)なども多くチェーンソーで細かく分断して回収、巨大ゴミはカヤック数艇で回収船迄曳航し、小型動力船で浜まで縄で繋いで曳航する場合も・・・。

Mission Maps ▲小型動力船で巨大流木を注意深く曳航開始
▲曳航中も最大限の注意を払いながら操船
▲浜への引上げは大勢で「ヨイショ~」と

 今回も漁具(係留ロープ、ブイ、定置網との破損片などが約4割を占めていました。大きな流木は大河からの流れてきたものだと思われ重量は100KG程度と回収ゴミの中では超重量級です。いつものように回収船が到着の度に軽トラックで14Km離れた南伊豆町のゴミ処分場までピストン輸送しカテゴリー毎に分類し計量を実施。
ミッション対象浜は鯛ケ崎、大谷小谷、子浦海岸の3つのポイント合わせて約1トン近いゴミ回収成果となりました。謹んでご参加頂きました皆様に御礼申し上げます。

Garbages ※フォト/ビデオ提供:南伊豆アドベンチャー山口氏、小田原在住山口氏

回収ゴミのカテゴライズ

 富士箱根伊豆国立公園沿岸には美しい海があり、その恩恵を受けて私たちは生活しています。こうした海を守っていくために、私たちが日々の生活の中でできることとはなんでしょうか。まずは、目の前を見渡して自分たちがどれほどのプラスチック製品に囲まれているか意識することから始めてみるのはいかがでしょう。今私が作業している机の上を見ても、通販業者からの梱包資材やペットボトルやポケットティッシュの袋などちょっと見まわしただけでも多くのプラスチック製品があり、これら製品を海洋環境に優しい自然素材やその他代替え製品の開発が急務だと感じています。

 漂流ゴミを減らすためには排出元からの減量が一番効果的だと言われています。ビーチクリーン・ミッションで回収されたゴミはすべて南伊豆町町営処分場でコンプライアンスに順じて処理されています。持ち込の際に自動計測機にてゴミ積載量+車両重量を測定し退場時に車両重量を引いた重量をゴミのNET重量としています。その際にコモディティ(製品用途)ごとに大まかに大別して記録しています。

 回収した海ゴミの分析手法はゴミの種類や用途(排出元)ごとの重量だけでは不十分でもっと分類法やUOM等の精査が必要だと思いますが、子浦ビジターセンターのSTAFFや支援者だけではマンパワー的に不足しているために将来的な課題に位置づけ大学等との連携を現在模索中です。

 鯛ケ崎は、陸路からのアクセスが不可能なこともあり、ここ十数年本格的なビーチクリーン・ミッションは実施されていませんでした。
冬季の強烈な西風によって打ち上げられた大きな流木が多く手間を要する作業が多いのも、これまでの他浜のビーチクリーン・ミッションではなかった作業です。また浜自体がゴロタ浜とは比較できないほどの大きな岩石で構成されているために岩と岩の間に風と波浪にて押し込められたゴミ回収作業なども、クリーン作業をより困難にしました。

Garbages
 今回の回収ゴミのコモディティ毎にカテゴライズしてみると明らかに大きな漁具が多かったこともあり、「漁具」が一位。続いて二位は「流木や木材」。プラゴミ系はプラスチック製漁具をカウントから徐外している為に少量でした。

Garbages

日本財団視察チームも早朝からミッションにご参加頂きました

Nippon-Foundation Mr.Y ▲日本財団からオブザーバー参加頂いた海洋環境チームY氏(妻良子浦湾鯛ケ崎)

Nippon-Foundation Mr.Y ▲作業中の日本財団オブザーバー海洋環境チームU氏とY氏(妻良子浦湾鯛ケ崎)

ビーチクリーン・ミッション初参加の方からコメント



「釣人が守る子浦の海」ミッションを終えてみて…

 SDGs推進室の西川です。今回も早朝にも関わらず多くのボラティアの方々がビーチクリーン・ミッションへご参加下さったことには心より感謝申し上げます。
 ここ2年間の回収ゴミ統計でも占める漂流・漂着ゴミのトップ(重量区分にて)に位置する漁具ゴミが今回のビーチクリーン・ミッションでもトップとなりました。
回収された漁具の大半が使い古されたフロートのフェンダー(防舷材)、定置網固定用ブイや固定用の化繊ロープが耐用年数を超えて使用されている現実から一向に漂流・漂着ゴミの減量は難しい現実が浮き彫りになりました。

 子浦ビジターセンターでは一昨年から水産庁が進めるプラスチック資源循環(漁業における取組)部門とも情報交換を行い、南伊豆町漁業者へのプラスチック資源循環策の提案を準備していました。
水産庁の推進するプロジェクトはESG (環境、社会、ガバナンス) 非財務要因を重視し環境パフォーマンスの評価向上を狙ったものです。
 支援対象事業サイズは水揚げ量がある程度以上ある漁業者対象の支援策であり、零細漁業者が大半を占める南伊豆漁業者は、支援策申請に合致するものの自己負担分の支出は難しく、まさしく「絵に描いた餅」の支援策であり、提案を保留した経緯があります。

 回収ゴミのカテゴリ別では、発泡スチロール片とペットボトルがのゴミ点数は一向に減っていません。
特に発泡スチロール片は漁具や保冷用の容器と流出元が漁業関係者からか?一般生活ゴミかの判別が難しい他、漂流中に細分化するために元は1つの個体であっても漂流時には数百個に拡散するために流出元の判断は難しく流失元への減量依頼が出来ず、こちらも元から減量対策が難しい現状だと痛感させられました。

『今後の海と日本PROJECTの支援方向への期待』

 国内多くの地域で数多く実施されている海と日本PROJECTやブルーサンタ等のビーチクリーン活動。しかし漂流・漂着ゴミのカテゴリー別の分析を実施してる団体は数少なく、ファッション的にただ回収した重さを競う風潮があります。

確かに漂着ゴミの回収自体は重要な作業ですが、SDGs14のゴール達成のためには、量から質への転換と情報共有が必須となります。参加団体が単なるステークホルダーからマルチステークホルダーへと変身が急務です。
そして日本財団の「海と日本PROJECT」内に包括的にゴミ流出元の分析、定量法をスタンダード化する部署の新設を行い、海洋ゴミ発生元からの効果的な減量作戦が必要な時代が目の前に来ていると感じた今回のミッションでした。

子浦ビジターセンター
SDGs推進室

西川 真由美


With the participation of many paddling sports volunteers, kayakers, inflatable boats, and SUP enthusiasts cleaned up the beaches of Mera Ward and Koura Ward, where cleanup activities have not been carried out so far. The day before, more than 40 volunteers came early in the morning to help clean up three beaches in the mission area.
It is a mission to collect a large amount of driftwood and plastic garbage washed up on the beach that cannot be reached on land. It was decided to move personnel and take out the garbage.
Beach cleaning that transports volunteers by boat is rare. On the day of the event, with the cooperation of the local people, three small power boats came to support us, and we wore life jackets in accordance with the rules for safety measures when traveling at sea. It was a fun time to see a different side from the power boat trip.

This beach cleanup mission was made possible with support from The Nippon Foundation. Thank you very much for your cooperation and support.
On the day of the event, two staff members from the Nippon Foundation also showed up early in the morning and participated in the beach cleanup mission.


Nippon-Foundation Mr.Y

新子浦ルール発効

ルールを守って持ち込まない!広げない!安全安心の子浦を

来場者皆様のご協力を宜しくお願い申し上げます。

子浦ルール

南伊豆町子浦は伊豆半島南端の西部に位置しています。人口は東西子浦区で約200人程の小さな過疎集落で65歳以上の高齢者割合は7割近くの無医村ですので緊急宣言終結後も皆様の協力をお願いします。

駐車場入場時間/車中泊禁止

感染症拡大防止策の間てから午前6:00前の入場は出来ません。
現在車中泊も引続き禁止しており規則を無視してご入場された場合、利用をお断りする場合がございますので予めご了解ください。

場内マスク着用

予防接種の接種済みの方も含め、場内ではマスク着用を来訪者全員の方に引続き義務としてお願いしております。